全身脱毛症

眉毛・まつげ・わきげなど、全身の毛が抜けてしまう脱毛症。私が最初に発症したのは小学2年生のときでした。汎発性脱毛症とも言います。汎発とは、医療の言葉で「あらゆるところに・広範囲に」という意味だそうです。
頭に10円玉を見つけてから全身の毛が抜け落ちるまでは、とても早く感じました。
起床して枕を見ると、毛がごっそり抜け落ちていたことを憶えています。
当初の私は案外気にしていなかったみたいでした。帽子やウィッグを勧められる機会が増えるたびに、自覚が湧いてくると言いますか。。。
頭を見られるとびっくりされてしまうのが子どもながらにわかりました。私がびくびくするようになったのは、それからだったと思います。
全身脱毛症の原因
全身脱毛症の原因はまだ解明されていないと言われたり、複合的な原因で発症すると言われたり…必ずこうとは言い切れないのが現状のようです。
自己免疫疾患、精神的ストレス、遺伝などが主な原因として挙げられやすいとのことでした。
自己免疫疾患とは、 免疫が間違えて自分の身体の一部分を攻撃してしまう病気です。脱毛症の場合は、毛根が異物と間違えられてしまい、攻撃を受けます。
実際に発症する方は、もしかしたら少しずつ原因が重なってしまったのかもしれません。
全身脱毛症の治療
脱毛症の範囲が広がってきたことで人目につきやすくなり、大学病院で治療を受けることになりました。ステロイド(塗り薬)、光線療法(紫外線照射)、冷却療法(ドライアイス少し当て)などを受け、小学5年生の頃には髪の毛が8割方生え揃いました。
治療は、全然痛くなかったですよ。
…生え揃ったと言っても、耳周りやうなじは少し心もとなかったです。ただ、髪を下ろしていれば気にならない程度だったので、よく生えてきたなぁなんて思います。
全身脱毛症の辛さ
全身脱毛症は、ウィッグで隠して生活することができます。個人的に辛かったことは、脱毛症を隠すか隠さないかについて、人知れず葛藤し続けることかなと思います。
- いつも隠さなきゃって思う。
- 知られると動揺すると思う。
- カミングアウトするのは親友でも二の足を踏む。
- カミングアウトしても、軽くあしらわれたりする。
- もっとカミングアウトしなよ!って言われたりする。
学校でも職場でも気苦労が耐えないから、強く、生きづらさを感じるかもしれませんね…。当事者ではない方で、もしも脱毛症をカミングアウトされたら、しっかりと話を聞いてあげてください。とても勇気が必要だったと思うから。
前向きでなくても大丈夫

20歳のとき、脱毛症が再発しました。再発当初、小学生のときと同じ病院で治療を受けていたのですが、効果が感じられるまでにはならなかったです。
実生活の忙しさもあって、治療は途中でストップしてしまいました。それから少しずつ、自分なりに脱毛症生活をこなすようになりました。
人間関係には今でも苦労していますが、今はゆったりウィッグ生活を過ごしています。みんながみんな、明るく前向きになれる訳でもないと思うので、脱毛症に対する自分の温度が安定してくるといいのかなと思いました。
肩の力が抜けてきたら、ウィッグを楽しむ余裕も出てくるかもしれませんね!
私の体験が、少しでも誰かの参考になればいいなと思います。